社会・経済ニュース
2023年07月18日号
EU、8月上旬に日本産食品輸入規制撤廃
欧州連合(EU)は2011年の東京電力福島第一原発事故後に福島県など10県の一部食品を対象に義務付けてきた放射能物質の検査証明書を不要とするなど、日本産食品に課してきた輸入規制を撤廃すると発表した。EU内での手続きを経て、早ければ8月上旬にも撤廃される見通しとなった。輸入規制は福島や宮城など10県を対象とし、これまで規制品目を段階的に縮小してきており、現在は福島県の水産物の一部や野生のキノコ類などに検査証明を求めてきている。

2022年度地方税収、最高の45兆円
総務省が発表した自治体決算に基づく速報値によると、2022年度の地方税収は前年度比4.4%増の45兆1886億円だったことが分かった。2年連続で過去最高を更新したことになり、新型コロナウイルス禍から一転して回復基調になったことで企業業績が好調となり、税収を押し上げたとみている。税収の内訳をみると、地方法人2税(住民税・事業税)は9兆1160億円、地方消費税は6兆4151億円、固定資産税は9兆5396億円、個人住民税は13兆5529億円などとなっている。

5月経常収支、前年同月比2.4倍の黒字
財務省は5月の国際収支速報で経常収支は前年同月比2.4倍となる1兆8624億円の黒字だったと発表した。黒字は4か月連続で、背景に資源価格の高騰が一服したことで輸出から輸入を差し引いた貿易赤字幅が縮小したことが挙げられている。また、訪日外国人の増加により旅行収支の黒字が拡大したことも寄与したものとみられている。貿易収支の赤字幅は1兆1867億円で7514億円縮小したものの、輸出は最大の貿易相手国の中国の経済の低迷から2.8%減となり、今後、黒字額の伸びが縮小するとみられている。

日本の女性役員比率はG7で最下位
経済協力開発機構(OECD)の2022年の国際比較で日本の女性役員比率は15.5%で先進7カ国(G7)の中では最下位だった。首位のフランスの45.2%から大きく引き離され、日本の順位から一つ上のアメリカの31.3%の半分程度だった。政府は「女性版骨太の方針2023」で、東京証券取引所プライム上場企業の役員について、2025年をめどに女性を1人以上、そして2030年までに女性比率を30%以上とする目標を掲げている。昨年7月末時点で東京証券取引所プライム上場企業のうち女性役員比率が30%を超える企業は2.2%にとどまる。

2023年飲食料品の値上げ、3万品目超
帝国データバンクの発表によると、7月中旬までに判明した2023年の飲食料品の値上げ品目は3万9品目に上ることが明かになった。同社では「バブル崩壊以後の30年間でも異例で、2022年の2万5768品目を超えて過去最大級の値上げラッシュになる」とみている。原材料由来の値上げは一服感があるものの、足元で上昇が続く電気代の先行きに加え、人件費の上昇、円安による輸入物価の上昇などの値上げ要因があり、「年末から2024年初頭も断続的な値上げの動きが続く」とみている。

都市評価ランキング、3連続で大阪が首位
森ビルのシンクタンクである「森記念財団」が経済や生活、交通などの6分野・86指標を基に、全国136都市の順位づけた都市ランキングで首位には3年連続で大阪市が選出された。大阪市は経済、交通の2つがトップだった。2位は横浜市、3位は名古屋市が続き、横浜市は文化の評価が上昇し、名古屋市は研究が首位となっている。また、4位となった福岡市は環境以外の5分野がいずれも上位で「高い総合力がある」と評価された。

中古車登録台数、過去最低に
日本自動車販売協会連合会の発表によると、2023年上半期(1〜6月)の国内の中古車登録販売台数(軽自動車除く)は181万1137台だった。前年同期比0.6%減で上半期としては2年連続で過去最低を更新した。半導体の調達難から新車販売が制限されたことから、下取りで中古車市場に出回る車の数が不足したことが背景にある。需要が堅調だったにも関わらず、中古車供給が追い付かずに価格は高水準で推移した。

生成AIの進化、76%が「仕事奪う」と危惧
転職などの相談サービスを行うライボの調査機関「Job総研」が全国の20〜50代の男女を対象にした調査で、チャットGPTのように精巧な文章や画像を作成する生成人工知能(AI)が進化すると、76.9%人が「人間の仕事が奪うと思う」と答えていることが分かった。生成AIへの評価を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「興味」(76.4%)で、「期待」(69.4%)が続いたが、「不安」(20.7%)、「恐怖」(15.0%)の声も上がった。