社会・経済ニュース
2023年09月05日号
経済産業は8月28日時点でのレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は185円60銭となり、これまで最高だった2008年8月の185円10銭を超え、過去最高となった。ガソリン価格が最高となった背景には原油価格の高騰と円安に加え、政府が行なってきた価格抑制のための補助を段階的に縮小してきたことが挙げられている。このため、政府は家計の負担軽減を図るため、補助拡充について年末まで支援を延長するとしている。軽油、灯油、重油も拡充対象とする方針である。
国立がん研究センターの調査で、死亡者数を人口で割り、年齢のばらつきを調整した2021年の「年齢調整死亡率」は前年比2.2%増加したことが分かった。死亡率の増加は東日本大震災の影響があった2011年以来10年ぶりとなる。同センターでは「新型コロナウイルスが影響した可能性が高い」とみている。また、2022年も増加したとみられ、同センターは「2021年が日本人の死亡率トレンドの変わり目となった可能性が高い」と指摘している。
各省庁からの提出が8月末で締め切られた2024年度一般会計での概算要求総額は、前年度の114兆3812億円を上回る見通しであることが明らかになった。3年連続で110兆円を超えることになる。防衛費や国債費が大きく上回るとともに、高齢化の進展から社会保障費が膨らんでいる。また、物価高対策や少子化対策での費用も加わることで、次年度予算は今年を上回る。財源を借金依存による穴埋め予算の編成が避けられない状況にある。
内閣府の発表によると「企業版ふるさと納税」制度を利用して企業が2022年度に自治体へ寄付した金額は前年度比1.5倍の341億700万円、また寄付件数は1.7倍の8390件となり、金額・件数ともに制度が始まった2016年度以降で過去最多となった。自治体別寄付額は静岡県裾野市の15億4600万円がトップで、次世代技術の実験都市建設を進めるトヨタ自動車などからの寄付があった。管内の市町村を含めた都道府県別にみると、北海道が49億4600万円で最多だった。
財務省が発表した4〜6月期の法人企業統計によると、金融・保険業を除く全産業での経常利益は前年同期比11.6%増の31兆6061億円となったことが分かった。比較可能な1954年同期比で最高となった。2022年度通期で見ても、経常利益は前年度比13.5%増の95兆2800億円となり、比較可能な1960年度以降で最も高かった。また、2022年度の企業の内部留保に当たる利益剰余金は554兆7777億円となり、11年連続で過去最高を更新していた。
厚生労働省は人口動態統計の速報値で2023年上半期(1〜6月)に生まれた赤ちゃん数(出生数)は前年同期比3.6%減の37万1052人だったと発表した。2年連続で40万人割れとなり、この傾向が続けば前年同様に80万人を割り込み、過去最少を更新するペースだと同省はみている。新型コロナ感染拡大による出産控えに加え、結婚しない人が増えていることや結婚年齢が高くなったりしていることが出生数減に影響しているとみられる。
気象庁の発表によると、今夏(6〜8月)の平均気温が平年を示す基準値(1991〜2020年)を1.76度上回り、統計を開始した1898年から125年で最も高くなったと発表した。6月はプラス1.22度、7月は同1.91度、8月は2.16度上回っていた。同庁では猛暑は太平洋高気圧の勢力が強く、温暖化の影響があったとしており、「夏全体で見て異常だった」と総括した上で「今夏は40度以上の所はあまりなかったが、猛暑日日数が多く、暑い時期が長く続いているのが特徴だ」としている。
キューサイが全国の30〜70代の男女を対象に「直近5年以内に夏バテをしたことがあるか」を尋ねたところ、40.6%の人が夏バテを経験したことがあることが答えていた。年代別にみると、30代の人は49.1%、40代が48.1%と5割近くを占め、50代は35.8%、60代が36.9%、70代が33.4%で、若い世代ほど夏バテを経験していた。症状を尋ねると(複数回答)、「体が重い・だるい・疲れる」が最も多い52.5%で、「やる気がない」(32.3%)が続いた。