社会・経済ニュース
2024年03月19日号
北陸新幹線、整備計画から半世紀で開通
2024年3月16日、北陸新幹線の金沢−敦賀間が延伸開業した。1973年に整備計画が決定されてから51年目となり、新幹線網が福井県に広がったことになる。これにより、東京−福井間の所要時間は最短で2時間51分となり、これまでの東海道新幹線と在来線特急を乗り継ぐことにより33分短縮となる。北陸新幹線の延伸開通は今年1月元旦に発災した能登半島地震からの復興の力強い後押し効果も期待されている。

日本の「豊かさ」、前回から2つ下げ24位
国連開発計画(UNDP)は平均寿命や教育、所得などの観点から各国の豊かさを測る「人間開発指数(HDI)」の2023〜24年版報告書で、日本は193カ国・地域中、前回から順位を2ランク下げ、24位だったと発表した。HDIの首位はスイスで、ノルウェー、アイスランドが続いた。UNDPは「過去20年、豊かな国と貧しい国との不平等は着実に縮小してきたが、今回、この傾向が逆転し世界で格差が拡大している」と指摘した。

大手・中小企業の賃金格差は最大3倍
中小製造業が中心の産業別労働組合(産別)「JAM」が組合員数300人未満と千人以上の企業の月額所定賃金を比較集計したところ、大手企業の賃金から中小企業の賃金を差し引いた額が2000年から23年間で最大3倍に広がっていることが分かった。高卒後すぐに就職した30歳の場合、2000年では千人以上が23万8642円、300人未満は22万9335円で、その差は9307円だったが、2023年にはその差が2万9184円と3.1倍に広がっていた。

大卒就職内定率、2021年以降で最高値
文部科学省などの調査によると、今春に大学を卒業する学生の就職内定率は2月1日時点で91.6%となることが分かった。この4年間で最高値となり、コロナ禍の2020年12月時点の69.8%とは雲泥の差がみられた。大学、短大、高等専門学校の全体でみても91.4%となった。同省では「人手不足で求人が増え、企業での採用意欲が高まっている。中小企業だけでなく、大企業でも求人が充足していないようで、早期に内定を獲得した学生もいる」と今年の就職戦線の実情を分析している。

日本の兵器輸入、緊張高まりで155%増加に
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は2019〜23年に世界で兵器の取引量に関する報告書で、日本は155%増加で、世界の輸入全体で4.1%を占め、兵器輸入国の第6位だったと発表した。SIPRIは、中国や北朝鮮との緊張の高まりから、日本が長距離攻撃能力の向上に力を入れていると輸入増の背景を分析している。また、ロシアのウクライナ侵攻から欧州の兵器輸入は2014〜18年から倍増近い94%増となったとしている。

2023年、自転車事故死は8年ぶり増に
警察庁の統計によると、2023年に自転車に乗って事故死した人は前年比7人増の346人だった。8年ぶりに増加に転じ、事故死したとの約半数の174人は頭部損傷によるもので、そのうち9割がヘルメットを非着用だった。2023年4月から自転車利用者のヘルメット着用の努力義務が施行されているが、昨年7月の全国調査では着用率が13.5%にとどまっている。また、75歳以上のドライバーによる車やバイクの交通死亡事故は384件に上り、3年連続で増加していた。

首都直下地震、1000兆円超の被害額
土木学会が公表した報告書によると、今後30年以内に70%の発生確率とされている首都直下地震により、日本経済に1000兆円を超える被害が生じることが明らかになった。報告書は首都直下地震が発生した場合、政府による復興が行なわれなければ、建物が壊れるなどの資産被害が47兆円生じるほか、GDPの減少額は954兆円に上り、1000兆円を超えるとしている。学会では「事前にインフラ投資を行えば、被害額は減らせる」ことを、政府や国民に認識して欲しいと指摘している。

7割近くが「腸の健康」に関心がある
調査会社マイボイスコムが10〜70代の男女を対象にした意識調査で、腸の健康について「関心がある」「まあ関心がある」と答えた人の割合は68.7%だったことが分かった。また、直近1年間の腸の不調を尋ねたところ、「時々感じる」(30.4%)、「よく感じる」(9.2%)と4割近くの人が腸の不調を感じていた。腸の健康のためにしていることを尋ねたところ(複数回答)、「規則正しい生活をする」「睡眠を十分に取る」「1日3食食べる」「乳酸菌やビフィズ菌入り食品・飲料を意識的に取る」がそれぞれ3割だった。