社会・経済ニュース
2024年06月04日号
財務省の発表によると、政府・日銀が4月から5月にかけて実施した外国為替介入額総額は9兆7885億円だったことが明らかになった。4月26日〜5月29日までの1ヵ月で、円買い・ドル売りの為替介入として、2022年10月の6兆3499億円を上回るもので、過去最大となった。為替介入で4月29日は一時1ドル=160円台前半を付け、再び政府・日銀が為替介入に踏み切った5月2日には153円前半まで円が買い戻されたが、その後は円安基調が続いている。
内閣府は給与計算代行サービスのペイロールのデータを基に、今春闘を踏まえた都内の大企業を中心に、平均賃金を年代別に前年同月比を分析したところ、20代以下が3.6%、30代が3.5%上昇していることが分かった。一方の40代が2.9%、50代が1.2%の上昇にとどまっており、高水準の賃上げが若手に集中していた。民間会社の調べで20代以下が転職者の5割弱を占めているデータもあり、内閣府では「若手をつなぎ留めようとしている可能性がある」と今年の賃上げ状況をみている。
財務省は2023年度末時点で政府や企業、個人投資家が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産残高は前年比12.2%増の471兆3061億円だったと発表した。過去最大を更新した背景には、円安で外貨建ての資産の評価額が大幅に上昇したことが挙げられている。内訳をみると、対外資産残高は11.1%増の1488兆3425億円、対外負債残高は10.6%増の1017兆364億円となっている。日本の対外純資産残高は33年連続で世界首位となり、ドイツ、中国が続いている。
帝国データバンクが大企業・中小企業を対象に、日銀がマイナス金利を解除して進行が進む金利上昇に関して企業への影響を尋ねたところ、「マイナスの影響の方が大きい」とする回答が37.7%に上ることが明らかになった。「どちらとも言えない」が33.2%、「プラスの影響の方が大きい」が2.8%だった。「マイナスの影響の方が大きい」とする回答した企業の割合を業種別にみると、不動産業(47.7%)が最多で、製造業(42.6%)、農・林・水産業(41.7%)が続いた。
日銀は2024年3月期決算で保有する国債の評価損は9兆4337億円に上ったと発表した。2023年7月以降、金融緩和策の修正により長期金利が上昇し、それ以前に金融緩和策で市中から買い増してきた国債の市場価格購入時の価格を下回ったことが背景にある。評価損は2年連続となったが、前年の評価損額1571億円を大幅に上回り、過去最大となった。日銀は6月の政策決定会合で国債の買い入れ額を減らす方針を決めるのではないかとの推測から一段の長期金利の上昇圧力が増すとみられている。
2024年版「高齢社会白書」によると、内閣府の2023年度調査で親友が「たくさんいる」と答えた65歳以上の高齢者は7.8%にとどまることが明らかになった。5年前の前回調査で24.7%が「親友がたくさんいる」と答えており、大幅に減少していた。また、人と話す頻度に関しては、「毎日話す」との回答は前回調査では90.2%だったが、72.5%に減っている。内閣府では「望まない孤独・孤立に陥らないようにする対策の推進が必要だ」としている。
観光庁は4月の宿泊統計で、国内のホテル・旅館に宿泊した外国人は前年同月比38.1%増の1314万5620人で、2カ月連続で過去最多を更新したと発表した。日本人の宿泊者数は5.0%増の3780万9880万人となり、外国人宿泊者数を加えた宿泊者数は前年同月比11.9%増となった。宿泊者全体に占める外国人の割合は約4人に1人となり、円安を追い風に日本を旅行する人が増加している。また、同時に発表されたホテルなどの宿泊施設の客室利用状況を示す稼働率は57.3%だった。
第一生命が主催する2023年度「さらっと一句!わたしの川柳コンクール(略称:サラ川)」のベスト10が決定し、1位に「増えるのは税と贅肉 減る贅沢」が選ばれた。優秀100句を対象に約5万人の投票により順位が決定した。2位に「物価高 見ざる買わざる 店いかず」、3位に「マスク無し 2年目社員の 笑顔知る」、4位に「50代 給与も肩も 上がらない」、5位に「PayPayを 覚えた父の 無駄遣い」などが選ばれた。