社会・経済ニュース
2024年07月09日号
7月1日のニューヨーク外国為替市場で、一時、1ドル=161円70銭台となり、円安ドル高となった。米国では1日朝に長期金利の上昇とともに、円が売られドルが買われた。背景には米連邦準備制度理事会(FRB)での利下げが遠のき、ドルと円の金利差が縮まらないとの観測から、高金利で運用に有利なドルを買って円を売る動きが広がっている。トランプ前大統領が当選し、高関税政策で物価高を助長することになれば、FRBによる利下げが難しくなり、さらなる円安を招く可能性がある。
東京商工リサーチのまとめによると、2024年上半期(1〜6月)の企業倒産(負債1000万円以上)は4931件に上った。前年同期比21.9%増となり、3年連続で増加している。上半期としては2014年の5073件以来10年ぶりの高水準となっている。背景には、円安による資源高・物価高に加え、人手不足が挙げられている。事実、全体の倒産件数のうち、コスト上昇を十分に価格転嫁できない「物価高倒産」は23.4%増の374件、求人難や人件費高騰による「人手不足倒産」は2.1倍の145件に達している。
7月4日の東京株式市場での終値の平均株価が4万913円65銭となり、史上最高値を更新した。前日のニューヨーク市場でハイテク関連株が上昇した流れをうけて、東京株式市場でも半導体関連銘柄を中心に買いが広がった。また、幅広い銘柄で構成されるTOPIX(東証株価指数)もバブル以来、約34年半ぶりに史上最高値を更新している。市場関係者は「しばらくは高値圏での一進一退で推移するだろう」とみている。
厚生労働省が実施した「2023年国民生活基礎調査」によると、59.6%の世帯が「生活が苦しい」と答えていることが分かった。前年比8.3ポイント増えており、子どもがいる世帯高齢者世帯では10ポイント以上の増加となっていた。物価高などでより厳しい家計の実情が浮き彫りとなっている。年代別にみると、「苦しい」との回答は高齢者世帯で59.0%(10.7ポイント増)。また、子どもがいる世帯では65.0%(10.3ポイント増)となっていた。
英総選挙が行われ、最大野党の労働党が単独過半数を獲得し、14年ぶりに政権を握ることとなった。これまで政権を担ってきた保守党は現職閣僚や元首相が落選するなど大敗を喫した。キア・スターマー党首は国王から組閣を要請され、正式に新首相となった。労働党は生活に苦しむ国民向けの支援策を打ち出し、選挙戦を優位に進めてきた。スターマー氏は「国内で変化をもたらすと確約する一方、ロシアの侵攻を受けているウクライナを支持し続ける」と明言した。
東京証券取引所など全国の4証取は2023年度の上場会社の個人株主が延べ人数で7445万人になったと発表した。前年度比462万人が増え、増加は10年連続となった。また、2023年度末時点での個人の株式保有金額は170兆4893億円で、前年度から39兆2340億円増えている。1月から始まった少額投資非課税制度(NISA)で投資家が急増したことが背景にある。日経平均株価が史上最高を記録したことなどを背景に個人の株取引が活発になっている。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の発表によると、2023年度の運用実績は過去最高の45兆4153億円だったことが明らかになった。黒字は4年連続。2023年度の運用実績を資産別にみると、国内株式は19兆3928億円、外国株式は19兆2952億円、外国債券は7兆8694億円と、それぞれ黒字を確保した。ただ、国内債券は1兆1421億円の赤字だった。国内外の株価の上昇に加え、円安で外貨建て資産の評価額が膨らんだ。
警察庁によると、2023年に全国の警察に届け出があった認知症の行方不明者は1万9039人に上り、過去最多になったことが明らかになった。前年から約300人増えている。認知症の行方不明者で無事見つかった人は1万8221人で、殆どが届け出から3日以内見つかっている。不幸にも、533人が遺体で発見されている。また、全体の行方不明者数の中で10代が1万7732人で最多で、原因・動機は「家庭関係」が約3割だった。