社会・経済ニュース
2024年07月23日号
IMF、2024年世界経済成長率は3.2%
国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しで、今年の世界全体の実質成長率を3.2%とした。日本は4月時点の予測から0.2ポイント下方修正の0.7%とした。IMFは「米国と中国などの貿易摩擦の激化が経済に与える悪影響を及ぼす」との懸念を示すとともに、「今年の選挙結果で経済政策が大きく揺れ動く可能性があり、世界経済に負の波及効果をもたらす」と、アメリカ大統領選に言及した。

若者世代、「心の不調」を身近に感じる
2024年版厚生労働白書案によると、精神障害などにより日常生活に支障が出る「こころの不調」を身近に感じる人は、20代・30代で70%以上に達するとの調査結果が明らかになった。アンケート調査では、心の不調を「身近に感じる」「どちらかといえば身近に感じる」と答えた人の合計は20代で72.6%、30代も72.6%と高く、40代50代では徐々に低下し、60代は43.0%、70代以降は29.6%だった。白書案では保険や医療、福祉などの関係機関が連携した支援を重視している。

2024年度消費者物価指数は2.8%上昇
内閣府が経済財政諮問会議に示した試算で、2024年度の消費者物価指数は前年度比2.8%上昇するとの見通しを示した。1月に閣議決定した見通しから0.3ポイント上方修正したもので、背景には円安による輸入物価が上昇するとしている。また、実質国内総生産(GDP)の成長率は自動車不正認証による生産・出荷停止を受け、0.4ポイント低い0.9%増とした。内閣府の試算から見えてくるのは、物価高が家計の重荷となり、個人消費を冷え込ませる構図がこれからも続くことである。

中古品販売額、12年間で倍増の6兆円
内閣府の調査によると、車や衣料品などの中古品販売額が6兆2千億円になったことが分かった。2010年からの12年間で2倍近くに拡大している。背景には、物価高への節約志向の高まりに加え、メルカリなどのフリマアプリの普及が挙げられている。2022年の主な内訳では、中古車が全体の過半数を占める3兆3100億円に上り、衣料・服飾品が5100億円、ブランド品が3100億円、家具・家電が2700億円などとなっている。

上半期の訪日客、過去最多の1778万人
2024年1〜6月に日本を訪れた外国人客は累計で約1778万人だったことが明らかになった。上半期としては過去最多となり、この状況で推移すれば、2024年の年間累計は過去最多を更新する状況にある。併せて、訪日客による1〜6月の消費額は約3兆9千億円で、このまま推移すれば、年間で前年に過去最高を記録した約5兆3千億円を超えるとみられている。ただ、訪日客は都市部に偏りがちで、地方への誘致や混雑やマナー違反によるオーバーツーリズム(観光公害)への対策が求められている。

上半期のM&A、過去最多の2300件
企業の合併・買収(M&A)調査を行うレコフデータの発表によると、日本企業が関わる2024年度上半期(1〜6月)のM&Aは2321件だったことが分かった。前年同期比19.4%増で、調査開始の1985年以降で上半期としては最多となった。内訳では国内企業同士のM&Aが1823件、国内企業による海外企業のM&Aが340件、海外企業による国内企業のM&Aが158件となっている。

コメ卸価格、11年ぶり高値の1万5千円超
農林水産省が発表したJAグループなどがコメを業者に卸した際の「相対取引価格」は2023年産米の全銘柄平均で玄米60s当たり1万5886円だったことが明らかになった。2012年産米が1万6127円となった2013年8月以来、11年ぶりの高値水準となった。背景には、2023年産米が猛暑による高温被害で供給量が少ないことに加え、インバウンドによる訪日客が増加したため外食需要が拡大したことが挙げられている。

夏休み予算、前年を下回る平均5.8万円
調査会社のインテージが15〜79歳を対象に、夏休みの予算を尋ねたところ、平均は前年比2.6%減の5万8561円だったことが分かった。予算減少の理由で、「給与が増えないから」(35.2%)、「電気代・ガス代が上がるから」(33.1%)が挙げられた。夏休みの予定を尋ねたところ、「自宅で過ごす」が最も多い36.9%で、「宿泊ありの国内旅行」(19.1%)、「ショッピングや食事など」(18.5%)、「自分の実家に帰省」(12.9%)が続いた。