社会・経済ニュース
2024年08月20日号
GDP、年率換算で初の600兆円突破
内閣府は2024年4〜6月期の名目国内総生産(GDP)は年率換算で物価上昇を背景に約607兆円となり、初めて600兆円を超えたと発表した。物価変動の影響を除いた実質GDPの実額は約559兆円で、前年同期の約563兆円を下回っている。GDPの約6割を占める個人消費だが、物価上昇による水膨れの感が否めず、成長の実感は乏しいともいえる。民間シンクタンクは7〜9月期もプラス成長を見込んでいるが、個人消費の回復ペースは鈍化するとみている。

国の借金、過去最大の1311兆円に
財務省の発表によると、国債と借入金、短期証券を合わせた政府の借金は6月末時点で1311兆421億円だったことが明らかになった。3月末時点から13兆8805億円増え、過去最大を更新するとともに、初めて1300兆円を突破した。物価高対策などに伴う歳出が拡大し、税収だけで補うことが叶わず、借金に依存する状況となっている。加えて、政府は独立行政法人などの債務を保証しており、保証債務は29兆8154億円に上っている。

概算請求総額が過去最大の115兆円
2025年度一般会計の予算編成に伴い各省庁が財務省に提出する概算要求総額が過去最大の115兆円となる見通しであることが分かった。防衛力強化に伴う防衛費が過去最大に膨らむとともに、高齢化の進展で社会保障費の増額が主な要因となっている。加えて、膨らみ続けている政府の借金である国債の利払い費の想定金利を日銀の金融緩和策の修正に伴う長期金利の上昇から利払い費が増えることになる。概算要求を基に12月下旬に政府が2025年度当初予算案をまとめる。

熟年離婚の割合が過去最高の23%に
厚生労働省の2022年人口動態統計で、離婚の全体件数は17万9099組で、このうち同居期間が20年以上の「熟年離婚」は3万8991組で、離婚全体の23.5%を占めている。熟年離婚はこの20年以上、4万組前後で高止まりしてきている。離婚カウンセラーの岡野厚子さんは「今や男性の平均寿命は81歳と大きく延び、子どもが独立すると、定年後に夫婦で過ごす時間が長くなり、性格の不一致などから一緒にいることが耐えられず、夫婦関係をリセットするケースが目立つ」とみている。

2023年度食料自給率、3年連続の38%
農林水産省は2023年度のカロリーベースの食料自給率は3年連続で38%だったと発表した。生産額ベースでの自給率は前年度比3ポイント上昇の61%だった。カロリーベースの自給率は小麦の生産量が増えたことに加えて原料の大半を輸入に依存する油脂類の消費量が減ったものの、テンサイが病害の影響により製糖量が減少したことが挙げられている。一方、生産額ベースは畜産物や油脂類の輸入額が減少したことから、前年度より上昇した。

2026年度、介護職員は25万人不足に
厚生労働省が公表した推計結果によると、2026年度に介護職員が全国で約25万人不足することが分かった。高齢化の進展で介護サービスの需要増加で2026年度に介護職は約240万人が必要となるものの、2022年度の実働数は約215万人で、その差を不足数としている。また、同省の推計では、2040年度には約57万人の介護職員が不足するとしている。同省では「今後も人手不足は深刻な状況が続く」とみており、「処遇改善や外国人材の受け入れを進める」としている。

気象庁、初の「南海トラフ巨大地震注意」
8月8日、震源地を南海トラフ巨大地震の想定震源域内とする宮崎県南部の日向灘とする震度6弱の地震があったことを受け、気象庁は初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。臨時情報では最大規模の地震が発生した場合、関東から九州にかけての広い範囲で強い揺れや太平洋沿岸での高い津波が想定されるとして1週間程度、注意を呼び掛けている。評価検討会の平田会長は「平時より発生する可能性が数倍高い」として、備えを呼び掛けた。

サンマ初水揚げ、今年は1キロ626円
8月16日、根室市の花咲港でサンマ約34トンが初水揚げされ、初競りで1キロ626円の値がついた。前年は過去最高額を記録した1キロ14万400円から大きく下回る価格となり、根室市内の店頭では1匹80円で販売された。漁業者は「例年より量が多く、魚体も大きく、今後に期待できる」と話し、お薦めの食べ方について「刺身」を推奨している。同日には他に棒受け網漁の大型船2隻が戻り、約36トンが水揚げされる見込みで、今秋はサンマが以前のように食卓に上りそうだ。